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院長ブログ

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夏に役立つ犬用冷却グッズの種類と使い方 (全犬種・全サイズ対応)

2025.6.30

暑い夏を快適に過ごすために、犬のサイズや犬種を問わず使える冷却グッズを紹介します。市販品と手作り品の両方を取り上げ、それぞれの名称・概要、使い方のポイント、使用例や注意点をまとめました。信頼できる情報源から得たポイントも引用していますので、ぜひ参考にしてください。

市販の犬用冷却グッズ

冷却マット (ひんやりマット)

概要と効果

犬が休む際に体を冷やせるマットです。アルミ製タイル製ジェル入りなど様々な素材があり、犬の体温を吸収して放熱することで涼しく感じさせます 。

室内のフローリングなど冷たい場所に犬がお腹をつけて寝る姿を見かける場合、冷却マットを用意すると効果的です。犬が自分で涼しい場所を選んで休める利点があり、夏の熱中症対策に役立ちます 。

使い方のポイント

**サイズ選びが重要です。**犬の体格に合った大きさを選び、犬が全身を伸ばしてリラックスできるサイズのマットを用意しましょう 。小さすぎると十分効果を得られず、大きすぎると冷えすぎる場合があります。また、屋外や日向では使用せず、直射日光を避けて使うことが大切です。アルミプレートタイプの場合、日光が当たる場所に置くとプレート自体が熱くなる危険があるため注意してください 。

使用例や注意点

室内や車内で犬が休む場所に敷いて使います。例えば犬用ベッドの上に置いたり、ケージ内の床に敷いて利用します。製品によっては冷蔵庫で冷やしてから使うジェルマットや、水で濡らすタイプもあります。注意点として、噛み癖のある犬はマットを破って中身を誤飲しないよう監督しましょう。また、冷えすぎを防ぐため、犬が自分でマットと離れた場所を行き来できるようにしておくと安心です。

保冷剤入りクールベスト(冷却ベスト)

概要と効果

犬が着用するベスト型の冷却グッズです。胴体に巻きつけて装着し、保冷剤または水冷の効果で体を冷やします。暑がりな短頭種(フレンチブルドッグやボストンテリアなど)や胴長で地面からの熱を受けやすい犬(ダックスフントやコーギーなど)に特におすすめで、ベストに保冷剤をセットすることで首や背中から効率よく体を冷やせます 。身体に密着して着用するので冷却効果が高く、さらに地面からの熱が直接体に伝わるのを防ぐ効果もあります 。

使い方のポイント

製品の種類によって使い方が異なります。保冷剤タイプの場合、付属の保冷剤(または凍らせたジェルパックなど)をよく凍らせてからポケットに入れ、ベストを犬の体にフィットさせて着用します。水冷タイプ(気化熱利用)の場合、ベスト全体を水に浸してからしっかり絞り、犬に着せます 。いずれの場合も、着せる前にサイズ調整をして犬の体に程よく密着させ、苦しくないようにしましょう。水冷タイプでは十分に絞ることが重要です。絞りが足りないとベストが重くなり犬の負担になるため、余分な水分をしっかり切ってください 。散歩中に乾いてきた場合は霧吹きで再度濡らすと冷却効果が持続します 。

使用例や注意点

夏の散歩や屋外活動の際に使用します。例: 朝夕の散歩時にクールベストを着せておけば、直射日光や地面からの照り返しによる体温上昇を和らげることができます。ドライブやアウトドアでも着用させると熱中症予防に役立ちます。ただし、注意点として犬が嫌がらないか確認しましょう。最初は短時間から慣らし、嫌がるようなら無理に着せないでください。また、保冷剤タイプでは冷えすぎや低温やけどを防ぐため、保冷剤にタオルを巻いて温度を和らげたり、犬の様子をこまめにチェックしましょう 。ベスト装着中も水分補給は忘れずに行ってください。

犬用クールカラー(クールバンダナ・ネッククーラー)

概要と効果

犬の首に巻いて使用する冷却グッズです。首には太い血管(頸動脈・静脈)が通っているため、首元を冷やすことで効率的に全身をクールダウンさせる効果があります 。製品には水で濡らして使用するタイプの冷却バンダナや、保冷剤を入れられるネッククーラーがあります。いずれも首周りを適度に冷やし、散歩時や屋内での熱中症対策に役立ちます。

使い方のポイント

水冷タイプの場合、使用前にバンダナやネッククーラーを水に浸し、軽く絞ってから犬の首に巻きます。生地に含んだ水分が蒸発する際の気化熱で首元を冷やす仕組みです。保冷剤タイプの場合、製品のポケットに小さな保冷剤を入れて首に巻きます 。保冷剤は家庭用のものでも代用可能で、繰り返し使えるため経済的です 。首輪のように装着しますが、きつすぎないよう指が2本入る程度のゆとりをもたせ、安全に装着してください。犬が嫌がらないか様子を見ながら、短時間から慣らすと良いでしょう。

使用例や注意点

散歩やドッグランで遊ぶ際に首に巻いておくと、比較的簡単に犬をクールダウンさせられます 。例: 夏の夕方の散歩に濡らしたクールバンダナを巻いて出かければ、首元から熱を逃がしやすくなります。車内での移動中に装着しておくのも効果的です。注意点として、長時間の使用や冷やしすぎに注意してください。保冷剤タイプでは時間が経つと保冷剤が溶けて水滴が垂れる場合がありますが、最近人気の**アイスリング(PCMネッククーラー)**は28℃前後で固まる特殊素材で作られており、水滴が出ず快適な温度で1~2時間持続します 。いずれの場合も、犬がカラーを噛んで中身を出してしまわないよう注意し、破損が見られたら使用を中止してください。

クールミストファン(携帯ミスト扇風機)

概要と効果

ミスト機能付きの小型扇風機です。ファンと一緒に微細な水しぶきを発生させ、送風と霧吹きを同時に行うことで犬の体を効率的に冷やします。犬は汗をほとんどかかないため、通常の扇風機の風だけでは体温を下げにくいですが 、ミストファンなら被毛に付いた水分が蒸発する際の気化熱で体温を下げる効果が期待できます。炎天下の散歩中やアウトドアで休憩するとき、犬用ベビーカート内などで活躍します。

使い方のポイント

持ち運び可能なハンディタイプが多く、散歩時に飼い主が手に持って犬に風を送ったり、ベビーカーやケージにクリップで固定して使える製品もあります 。犬に直接強風や水滴が当たりすぎないよう、少し離して弱~中風量で当てるのがポイントです。顔に直接ミストがかからない位置(体の側面や背中側)から送風すると嫌がりにくいでしょう。水タンクに清潔な水を入れ、バッテリーを充電して使用します。ミストは連続約30分使用でき、ファン自体は数時間連続運転できるタイプが一般的です 。

使用例や注意点

使用例: 夏の公園で休む際、日陰で犬に携帯ミストファンの風を当ててクールダウンする。ドライブ中、エアコンが効くまでの間にケージにミストファンを付けておく――といった使い方ができます。注意点: 初めての時は音やミストを怖がる犬もいるので、最初は遠目から弱い風で慣らしてください。嫌がる様子なら無理に使用せず、中断しましょう。ファンの羽根や噴出口に犬が触れないようにし、使用中は目を離さないでください。ミストで地面や周囲が濡れることがあるため、屋内では床が滑りやすくならないよう注意しましょう。なお、ミストファンはあくまで補助的なグッズなので、酷暑時はエアコンなどと併用し、長時間の直射日光を避けるなど総合的な暑さ対策を心がけてください。

手作りできる犬用冷却グッズ

濡れタオルのひんやりマット

概要と効果

濡らしたタオルを利用した簡易冷却マットです。タオルを水で濡らして絞り、犬が横になれる場所に敷くだけで、ひんやりとした寝床を作れます。水分が蒸発する際の気化熱でタオルの温度が下がり、犬のお腹や体を優しく冷やします。市販の冷却マットが手元にない時や、急場の暑さ対策として役立ちます。

使い方のポイント

大きめのバスタオルやペット用タオルを用意します。冷たい水に浸してしっかり絞り、床や犬の寝床に敷きます。必要に応じてタオルを数分間冷蔵庫で冷やしてから使うと、より効果的です。タオルの下に100均のレジャーマットや,防水シートやビニールを敷いておくと、床が濡れず後片付けが楽になります。犬がその上で伏せたり寝転んだりすれば、お腹側から熱を逃がすことができます。特にエアコンの風が直接当たらない場所でも、このタオルマットがあれば涼感を得やすくなります。

使用例や注意点

例: 留守番中の犬のケージに濡れタオルを敷いておくことで、犬自身が暑いと感じたときにその上で体を冷やすことができます。散歩後に体がほてっている時も、濡れタオルの上で休ませるとクールダウンになります。注意点: タオルが乾いて生ぬるくなったら、すぐに冷たい水で濡らし直してください。湿ったタオルは数十分から一時間程度で犬の体温や室温で温まってしまいます。常に冷たい状態を保つよう工夫しましょう。また、室内でエアコン無しの場合は扇風機と併用するとより効果が上がります(扇風機の風を当てるとタオルの水分が蒸発しやすくなり冷却効果が高まります)。ただし犬は自分で体温調節が難しく、濡れたタオルで体を冷やしすぎると震えたり体調を崩す恐れもあるため、様子を見ながら使用してください。万一犬がタオルを噛んでボロボロにする場合は誤飲の危険があるので使用を避けましょう。

凍らせたペットボトルの簡易冷却器

概要と効果

家庭にあるペットボトルで作る即席の冷却グッズです。水を入れて凍らせたペットボトルを犬の近くに置くだけで、周囲の空気を冷やす効果があります。氷の入ったペットボトルからは冷気が出て犬の体を間接的に冷やし、また犬自身がペットボトルに体をくっつけて涼をとることも期待できます。電気不要で経済的かつ繰り返し使える方法です 。

また、扇風機でペットボトル越しに風を当ててあげると、簡易クーラーになります。電気代は少しかかりますが、クーラーが効かせられない外のわんちゃんにも使えます。

使い方のポイント

1.5〜2リットルのペットボトルに水を入れてフタをしっかり閉め、冷凍庫で凍らせます。完全に凍ったらタオルや長めの靴下でボトル全体を包み、結んでカバーを作ります 。こうすることで結露で周囲が濡れるのを防ぎ、直接触れても冷たすぎず、またボトルが転がっても割れにくくなります 。準備ができたら、それを犬の寝床やケージの中、または犬がよくいる場所のそばに置いてあげます。犬が自分から近づいて、枕にしたり抱えたりして涼むこともあります 。置く位置は犬が届く範囲で、かつ邪魔にならない隅の方にすると良いでしょう。

使用例や注意点

例: 留守番中、エアコンを弱めに設定している場合の補助としてケージ内に凍ったペットボトルを2本入れておくといった使い方ができます。「ペットボトル=涼しいもの」と犬が学習すれば、自分からそばに行って涼むようになるでしょう 。注意点: ボトルを包むタオルはびしょ濡れになりやすいので、予備と交換したり、ポタポタしないよう厚手の布で巻きましょう。氷が溶けてきたら冷却効果が薄れるので、新しい凍ったボトルと取り替えてください。**特に注意すべきは誤飲と低温やけどです。**犬がボトルそのものやキャップをかじって穴を開けてしまうと、水漏れするだけでなく破片を飲み込む危険があります 。直接当たろうとする子の場合は、タオル等で巻いておき1、可能であれば飼い主の目の届く範囲で使用しましょう 。また、長時間ずっと身体に密着させていると局所的に冷えすぎる可能性もあるため、犬が寒そうにしていないかチェックしてください。

手作りクールバンダナ(保冷剤ポケット付き)

概要と効果

市販のクールバンダナと同様のものを手作りできます。保冷剤を入れられるポケット付きのバンダナを作れば、犬の首に巻いて冷やすことが可能です 。好みの布で作成でき、サイズも自由に調整できるので、愛犬にぴったりのものが用意できます。保冷剤の冷気で首元を冷やし、血液をクールダウンさせることで全身の暑さ対策に効果があります。

必要な材料

犬の首回りに合う長さの布(綿や接触冷感生地など)、縫い糸・針(またはミシン)、小さめの保冷剤(市販のもの、100均のものでもOK)。布は不要になったシャツや手ぬぐいなどで代用できます 。また、縫わずに作れる方法として、市販のバンダナに保冷剤をくるんで結ぶだけでも簡易的なクールバンダナになります。

作り方のポイント

(1) 布をバンダナ状(三角形または長方形)にカットします。

(2) 首に巻く部分にあたる中央あたりに、保冷剤が入る大きさのポケットを作ります。ミシンがあると簡単ですが、手縫いでも直線を縫うだけで大丈夫です 。縫い代を含めて布を二重に折り、両端だけを縫い留めれば保冷剤用の筒状ポケットができます(インターネット上には型紙や作り方を公開しているサイトもあります)。

(3) ポケットに小さな保冷剤を入れ、あとは両端を犬の首に巻いて結べば完成です。ミシン不要で作る方法として、バンダナで保冷剤をくるんでゴムで留めるだけのやり方もあります。いずれにせよ、保冷剤が落ちないようしっかり固定できる工夫をしてください。

使用例や注意点

例: 100均の手ぬぐいで手作りしたバンダナに保冷剤を入れ、散歩前に愛犬の首に巻いて出発する。好きな柄の布で作ればおしゃれと実用を兼ねることができます。注意点: 手作りの場合、縫製が甘いと使用中に保冷剤が飛び出す恐れがあります。必ず丈夫な糸でしっかり縫い付けるか、安全ピンなどで補強しましょう。保冷剤は凍らせた直後は硬く非常に冷たいので、タオルにくるむなどして直接肌に当たりすぎないよう調節してください 。また、保冷剤の中身(ジェル状物質)が万一出てしまうと有害な場合もありますので、犬がかじらないよう十分注意し、使用中は目を離さないようにしてください 。使用後は布が濡れたり結露したりするので、毎回しっかり乾かし清潔に保つようにしましょう。

🌿 外のわんちゃんには「打ち水」も効果的!

屋外で過ごすわんちゃんにとって、気温の高さだけでなく地面からの照り返しも大きなストレスになります。そんなときにおすすめなのが、**「打ち水」**です。

✅ 朝や夕方の涼しい時間帯に地面や犬舎周辺に水をまく

✅ 水が蒸発するときの気化熱で、地面や周囲の温度が下がる

✅ 熱がこもりやすい犬舎内も、周囲の打ち水で過ごしやすくなる

水をまくだけのシンプルな方法ですが、特に日陰が少ない場所では体感温度を大きく下げる効果があります。

犬がその場所でリラックスできるよう、涼しいスペースを整えてあげましょう。

参考文献・出典

獣医師監修のサイトやペット用品メーカーの情報を基に作成しました 。正しい使用方法とこまめな様子見で、安全に夏の冷却グッズを活用し、愛犬の暑さ対策にお役立てください。暑い季節でも工夫次第でワンちゃんが快適に過ごせるよう、しっかりサポートしてあげましょう。